白香の本棚

本棚とか言う名の小説投げる所。

診断メーカーで出た奴。※赤凛

[白城美香の赤凛の場合]
君の名を呼ぶ。すると「心配しなくても大丈夫だよ」そう言って、慰めるように微笑むのだ、君は。
いつもそうだ。だからって不安がなくなるわけじゃないのに、またこうやって絆されてしまう。

ぞくりと悪寒が走った。この気持ち悪さが妙では、と息を吐いた。不安だ。幾らまだこの合宿が終わらないと言っても確実に終わりは来る。
何故だか最近そういうことが多くて塞ぎ込んでしまいそうだ。そんなことを考えていると胸がきゅう、っと締め付けられるようになってしまう。
__相当、参ってる。
「……切原、」
ぽつり、と名前を呼ぶ。
「? あぁ……、心配しなくても大丈夫ですって」
多分声にも何かが滲み出していたのだろう、こっちを向いた切原はまるで俺を慰めるかのように微笑んでくる。いつもの元気な笑顔ではなくて、慰めるような。
いつもそうだ。普段は無駄なことを言って叱られているくせにこういうときだけ言葉が多くないんだ。でも、それが落ち着いて仕方がない。
不安はなくならないから何度も同じことを繰り返してしまうけれど、その度にこいつは寄り添うようにわらっているだけ。だから俺はまた、絆されてしまう。
こいつ、本当は頭いいんじゃないのか?

[白香の赤凛の場合]
君の名前を呼ぶと、返事と共に、視線がこちらに移る。本当は遠くを見つめる君の横顔を、そのまま眺めていたかった。
けれど、その視線をこちらにも向けてほしい、なんて子どもじみたワガママを隠すことができなかった。
君の名前を呼んでみた

「……、」
綺麗だな、なんて語彙力のない感想が漏れた。太陽が照らしてキラキラと輝く髪も、遠くを見つめる真剣な眼差しも。全部が綺麗だ。なんて直接言ったら顔赤くして呆れてくるんだけど。
あー、試合まともに見てねえのばれたら流石に怒られっかな。いやでも、怒ってこない気がする。
「なぁ、平古場さん」
「ん? どうかしたんばぁ?」
「や、何でもないっす。ただ呼んだだけ」
「ぬーやがうり。てかちゃんと試合見れー」
「はーい」
流石に駄目だったか。や、でも怒られてねえしいいか。少しだけだったけどこっち見てくれたし俺は満足。流石に俺もちゃんと試合見ねえと。
……ホントは、ずっと横顔眺めてたかったんすけど。でも、その視線を俺にも向けてほしかったから。多分そういうワガママが伝わっちまったんだろうな。
だからこの人は少しだけど俺のほう見てくれたのかも。だとしたらやっぱ敵わねえや。

 

両方とも 君の名前を呼んでみた 様 URL:https://shindanmaker.com/641554 お借りしました。

マイナーとか知らない。短いから二つとも詰めた。

一つ目は凛ちゃん視点で二つ目が赤也視点。(違う話だけど)

うちなーぐちは練習中なんです( ˘ω˘ )