白香の本棚

本棚とか言う名の小説投げる所。

跡忍は良いぞ(タイトル決まらなかった)

くそくそ短いです

 

* * *

 

「……、」

開け放された窓から風邪が吹き込み、カーテンが揺れる。柔らかな風がベッドを見下ろす跡部の頬を撫ぜた。少々きつく感じるオレンジ色の陽射しが目に痛かった。__時刻は午後5時を回っている。跡部の見下ろす先には、どこからか引っ張り出してきたのかわからないシャツを握りしめて気持ち良さげに眠る侑士がいる。

「チッ……気持ちよさそうに寝やがって。」

舌打ちをした跡部はベッドに腰掛け、じっと寝顔を見つめる。そして侑士の頬を静かに撫で、笑みをこぼした。

「……可愛いやつ」

くすぐったかったのか軽く身をよじる侑士を見て跡部はふと呟いた。

 

窓からまたも入り込んだ風は、火照った頬を冷ましていった。

 

* * *

 

「(いやいや普通に起きてんねんけど…:撫でられたら目ぇ覚めたんやけど……!? 寝たフリするしか)」

「(あっ多分こいつ起きてるな)」

 

* * *

忍足侑士が喋らなかった。

 

SSにも満たない、そんな小話。